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「ロックフェスから考察する愛の定義」
宇宙のへそとエッセイ 2019年9月11日版

 

 

何気なくつけていたテレビから
音楽フェスの番組が流れていた。
私はとりわけフェス好きでも
ライブ好きでもないが
馴染みのないアーティストに
出会えるという理由から
チャンネルはそのままにしておいた。
自分の好みではない音楽が
時折流れたりするが
わざわざチャンネルを
変えるまでもない。
これも一種の出会いだ。
出会いは大切にする主義である。
その昔
ハードコアというジャンルは
食わず嫌いだったが
マキシマムザホルモンは
私の壁を壊してくれた。
彼らの音楽を聴いた途端
亮ちゃんの声と
背骨に響くようなメロディラインに
虜になった経緯があるので
偶然の音楽の出会いというのは侮れない。
そんなこんなで
新しい出会いや再会を楽しみつつ
しばらくフェスの番組を見ていた私だったが
ふと、気づいたことがある。
バンドが登場しては
演奏し、場を盛り上げて
舞台袖に消えていくのを
5.6組見た頃。。。
「みんな〜
ありがとう!!!」
「センキュ〜!!!」
「また会おうな!!!」
必ず汗だくのボーカルが口にする。
ここまではいい。
気になったのは、
必ずどのバンドも口にする
「愛してるぜ〜!!!」
というこのフレーズ。
書いていて
「あきすとぜねこ」という
占いがあったなと頭がよぎったが
話がまたとんでもなく散らかるので
ここは割愛する。
話を戻して。。。
ま、言わないバンドもいるだろうけど
私が目にした本日の
フェス出場バンドにおいては
100%の確率で発言している。
なぜこんなに反応しているのかというと
「愛」は、
私の中でかなり物議を醸した
単語の一つだからである。
私の中で「愛」とは
かなり抽象度が高すぎるため
意味合いがうまくつかめないのである。
だから、
「愛してるぜ〜!」
なんて言葉を言われても
それが何を意味するのかが
さっぱりわからない。
ありがとう、はありがとうだし
また会おうな、もまた会おうだ。
しかし、何度聞いても
愛してるぜは解せない。
わからない。
この人の言いたいことは何?
疑問は増すばかり。
「好きな食べ物は?」
と聞かれ
「血や肉になるものー!」
と返ってきた時くらい漠然としている。
で結局何なの?と言いたくなるほど
ものすごく内包される具体が多い。
(と私は感じる)
そして「愛」という言葉を
いまだにどういう場面で
どういう風に使うのかが
自分の中で確立されていない。
ゆえに人に使ったこともないし
言われても反応ができない。
抽象言葉は便利といえば便利だけれど
具体が見えない抽象を使うのは
私の中では「なし」なのだ。
ヤバイ!も
自分の中で
「え、ヤバイってどういうこと?」
と聞かれた時に事細かく説明できなければ
ヤバイは使わない。
「愛されてるね〜」
なんて言われても
「お洋服が黄色ですね」
と言われるくらい
発言者の意図がわからない。
かといって、私の思いとは逆流して
「愛」という言葉が
現代の世の中を席巻している。
愛される女性になる
愛される髪型
愛すべきコスメ
愛という言葉が
ドンジャラのオールマイティ牌のように
思えて仕方がない。
そんなこんなで
どんどん「愛」という言葉との間に
溝ができ距離を感じる私ではあったが
これではいかん!
「愛」に歩み寄ってみよう!と
「愛」について
調べたことがあった。
どうなると「愛」なのか
どういう状況で「愛」という言葉を使うのか
どういう感情を持ち合わせていると「愛」を
使うことになるのか
何を目にした時に「愛」を感じるのか。
漫画、女性誌、辞書、ブログ、
インタビュー、
思いつく限りの方法で
「愛」に近寄ってみた。
しかし「愛」という言葉を
的確に感覚感情、言語化できる人
には出会えず、なんとも不発に終わった
リサーチではあったものの
いろんな経験談や知識を採取し
集めた材料から
自分的にしっくりくる
言動に置き換えてみることに成功した。
愛とは
「大切にする、される」
「尊敬する、される」
うん。
愛の中に
おいなりさんのように具が入り込んで
リアリティが出てきた。
とはいえ、
大切も、尊敬も
それぞれ膨大な意味を
内包する単語ではあるのだけれど
それぞれの示す感覚感情や
具体的な行動指針などは
私の中でくっきりとしているので
特に問題はない。
ということで
私の「愛」の定義は
大切にする、される
尊敬する、される
であるのだけれど
フェスに出ていたアーティストたちが
この意味で使っていたかどうかは
いまだに謎。
今度機会があれば
すみません、ちなみに
今発せられた愛してるって
どういう意味なんでしょうか?
と尋ねてみたい。

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